ランドセル選びで肩ベルトの性能を
見落としてはいけない3つのポイント
みなさんはお子様のランドセルを選ぶときどんな点を重視しますか?
牛革 or 人工皮革といった素材?かぶせのデザイン?カラーのバリエーション?それとも重さなどでしょうか。
親も子も、わかりやすさという点で素材やデザイン、カラー、重さなどの比較に目が行きがちですが、つい後回しになったり見落としがちなのが背負い心地です。
とはいえ入学から1年~半年前のまだ小さなお子様に、実際に背負ってもらったとしても背負い心地を正確に言葉で伝えてもらうのも難しいでしょう。そもそも全てのランドセルを背負ってみるのも無理な話です。身体もどんどん成長していくことを考えると何を基準に選べばいいのか悩んでしまいますよね。
でも判断基準がいまいちわからないからと優先順位を後回しにしていて本当にいいのでしょうか?今回は背負い心地を左右する肩ベルトの性能に着目しながら、ランドセルを選ぶ際に見落としてはいけない大事なポイントを3つ紹介したいと思います。
1.ランドセルの重さを軽減させる
肩ベルトのクッション性能
ランドセルの重さを軽減させる肩ベルトのクッション性能
平均7キロとも言われるランドセル。小さな1年生が毎日重たいランドセルを背負うのですから、なるべく体への負担が軽減するようなものを選びたいですよね。
その際ランドセル自体の重さを比較するだけではなく、肩ベルトのクッション性能について確認してほしいというのが1つ目の大きなポイントです。
教科書や文房具、さらに最近はタブレットが加わりランドセルの重さは大人でもうんざりするほどです。重たいランドセルの身体への影響は近年特に話題に上っており、ランドセル症候群という言葉も生まれて問題視されています。
ランドセル症候群について
子どもの身体に合わなかったり重く感じるランドセルを背負って通学を続けることで、子どもの身体の成長に悪い影響を与えたり、通学への気持ちが憂鬱になって心身に不調を生じることをランドセル症候群と呼びます。
具体的には肩こり、腰痛、猫背、身体の歪みなどの身体的な問題と、登下校そのものが苦痛で学校に行きたくないというマイナスな感情になる精神的な問題とがあります。
教科書を置いて帰る置き勉や、タブレットによる教科書のデジタル化なども少しずつ取り組みが進んでいるようですが、実際はまだ重たいランドセルを毎日背負って通学している子がほとんどというのが実情です。
薄着の季節には特に肩に食い込むので擦れて真っ赤になっていたりします。
そんなランドセル症候群についての詳しい解説や、その対策方法をご紹介しているコラムもございます。
ぜひご参考にしてみて下さい。
肩ベルトのクッションの素材や
厚みに着目しよう
肩ベルトのクッションなんてどこも同じようなものではないの?と思う方もいるかもしれませんが、メーカーや工房によって使っている素材、厚みなどそれぞれ異なるのです。
クッションについては各メーカーのカタログやウェブサイトで自社のランドセルの工夫と性能を紹介していますので、ぜひ見比べてみることをおすすめします。可能なら実物を触って背負って確認してみるのが一番ですが、何も入っていない状態ではなかなか通学時のイメージが正確には掴みにくいかもしれないので、中に荷物を入れた状態で背負ってみるのがベストな方法です。
客観的なチェック項目としては
・クッションの素材は何を使っているか
・厚みと幅はどの程度か
・肌に直接当たる部分の素材は何を使っているか
などが確認できればお子様の身体に合う肩ベルトを判断しやすいと思います。
宇宙飛行士の体を守る
シャトルクッションが子どもの肩と背中を支える
例えば中村鞄のランドセルは、肩ベルトと背あてにNASAで開発されたシャトルクッションという素材を採用し肩への負担が軽減するように工夫しています。NASAというワードにちょっぴりワクワクするお子様もいるかもしれませんね。
宇宙飛行士の体を守るために使われているというシャトルクッション。もちもちふっくらとした厚みと弾力が特徴で、さらに耐久性に優れており6年間厚みがずっと持続するのです。
シャトルクッションは身体の体温が伝わることにより変形していくので、どんな体格のお子様でも身体に合わせてゆっくりと変形して馴染んでいくようです。これなら肩に食い込んで辛い思いはしなくて済みますね。
また肩ベルトの裏面に使われているソフト牛革は蒸れにくく快適に過ごせる素材として人工皮革よりも優れているという実験結果があるようです。
また、裏面のソフト牛革は、表面の革よりも広めに作られているので直接肌に触れる部分に硬い革が当たらないように工夫されています。
夏の暑い時期にはランドセルが触れる部分にあせもができやすくなるので、肌に当たる部分が蒸れにくく快適に感じるかどうかも大事なチェックポイントだと思います。
2.肩へのフィットの秘密!
背カンと立ち上がりの仕組みを知ろう
ランドセル本体と肩ベルトの接合部になる背カンと呼ばれるパーツ。
一見目立たない存在ですが、ランドセルの背負い心地に大きな影響を与える、まさに縁の下の力持ちといったパーツなのです。2つ目のポイントとして、この背カンと肩ベルトの立ち上がりについて紹介したいと思います。
背カンにもさまざまなタイプがある
まず、背カンは固定背カンと左右に動く背カンの2種類に分けられます。多くのランドセルでは、子どもの活発な動きに十分に対応できるよう左右にスライドする背カンが主流です。
中でも中村鞄のランドセルのように左右の肩ベルトが別々にスライドするようになっているタイプは腕を通す動作がスムーズにできるのでオススメです。
実はランドセルの故障で特に多いのがこの背カン部分の故障なのです。背カンはとても力がかかりやすい部位のパーツということですね。
中村鞄では大事な金具部分を精度や耐久性で信頼できる日本製のステンレス素材を採用しているという点でも安心できます。
立ち上がりのおかげで軽く感じる!?
立ち上がりというキーワードもランドセル選びで重要なチェックポイントとなります。肩ベルトには立ち上がりのないタイプと立ち上がりのあるタイプがあるのです。どちらにも良い点はあるようですが、主流はやはり立ち上がるタイプ。
中村鞄のランドセルは背カンによってゆるやかな曲線をもった肩ベルトが立ち上がるように作られています。そのおかげでランドセル自体が小さな身体にもしっかりとフィットして体感的に軽く感じるように作られているのです。
3.6年生になっても身体に合うランドセルを選ぶために
これから1年生になろうとしているお子様の小さな身体にあったランドセル選びも重要ですが、ランドセルは6年間使うもの。数年後大きく成長しランドセルを背負ったお子様の姿を想像してみてください。
え?そんなの想像つかない…という方がいても無理はありませんね。何しろランドセルを選ぶ時期は年長さんになってすぐの6~7月が一番多く、ほとんどはまだ5歳児で身長は平均で110センチほど。何ヶ月か先の入学式にどれくらい大きくなっているかもわからないというのに、6年生に成長した姿を想像するなんて無理な話です。
肩ベルトで見落としてはいけない3つ目のポイントとして、6年間という長い期間でも常に身体に合ったランドセルで通学するためにはどこをチェックすればいいかを次に紹介し
ます。
肩ベルトの穴の数は未来への
安心の証
平均的な身長のお子様で1年生から6年生までの間に30センチも身長が伸びます。
これは平均なので、実際にはもっと大きく成長するお子様もいるでしょう。とにかく6年後にはランドセル購入時とは全く違う体格、身長になっているということを理解しましょう。
学校や地域ごとに異なる場合はありますが、ほとんどの小学校は6年生までランドセルを背負って通学することになると思います。そこで気になるのが肩ベルトの長さです。
この肩ベルトの長さと調整用の穴の数も各メーカーでそれぞれ異なるのです。中には平均身長160センチ程度を想定したメーカーもあるそうなので想定以上に大きくなって身体に合わないランドセルで通学することにならないように注意が必要です。
中村鞄のランドセルのようにベルト穴を8つ設けていて170センチくらいまでの使用が想定されていれば、お子様がグングン成長しても安心です。
負担の少ないランドセルの背負い方
身体にフィットするランドセルは走ったり跳ねたりしてもずり落ちることなく余計な負担をかけません。成長するにしたがって、ベルト穴を調節し身体にフィットしているかどうか確認しましょう。
ランドセル本体のてっぺんと、肩の高さが同じ高さになるのが目安です。
小学生の登下校風景を見ていると、ランドセルが合わなくて身体が反り返ったり猫背になったりしている小学生をたくさん見かけます。肩ベルトの調整で負担は大きく変わってくるのではないかと思います。
親子で一緒に正しいランドセルの背負い方を学んで、身体の成長を妨げないようにしたいですね。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はランドセルの重さが子どもの身体にどれほど負担になるかということを具体的に想像しながら、ランドセル選びの際に肩ベルトの性能で見落としてはいけない3つのポイント
1.肩ベルトのクッション性能
2.背カンと立ち上がりの仕組み
3.肩ベルトの長さと穴の数
を紹介しました。
H28年の総務省の社会生活基本調査によると、小学生の通学にかかる時間は往復平均で48分にも及ぶそうです。平均7キロにもなるランドセルを炎天下や風雨の中毎日背負って行かなければならない現状を、少しでも楽にしてあげたいと思うのは誰もが同じだと思います。
背負いやすさというのは、デザインやカラー、容量などの機能面と比べてなかなか判断しにくい項目ではありますが、毎日の通学ができるだけ楽に快適に行えるためにも、ぜひ肩ベルトの性能に注目して検討してみることをおすすめします!
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